ディスプレイ頭痛とコロナ頭痛の違いとその対策|新型コロナウイルス

ディスプレイ頭痛とコロナ頭痛

新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、テレワークの推進により各社在宅での作業に追われているかと思います。一方、普段の会社と異なる環境や休息方法で、作業効率や健康被害が現れているのではないでしょうか。今回は「頭痛」について着目し、コロナ頭痛とディスプレイ頭痛の違いを確認し、ディスプレイ頭痛の対策方法を深掘りしていきます。


なぜ頭痛を引き起こすのか

頭痛は肩こりなどで頭部の血管や神経に異常が起きたことが原因 (一次性頭痛) となる場合もあり、脳腫瘍や脳内出血など頭部にある疾患が原因 (二次性頭痛) となることがあります。一次性頭痛は大きく分けて片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛の 3 種類あり、パソコンなどの機器を使った作業 (VDT: visual display terminals 作業) を長時間行うことで起こる頭痛の多くは緊張性頭痛に分類されます。


ディスプレイ頭痛とコロナ頭痛の原因とその兆候

PC頭痛

繰り返し頭痛が起こる反復性の緊張型頭痛は頭部周囲にある筋肉の硬直や過緊張や血流の減少が原因と考えられています。VDT 作業を長時間行うことで首や肩の筋肉が硬直してしまい、これが頭痛の原因になる恐れがあります。また、パソコンやスマートフォンなどの液晶画面が発している強い光を長時間見続けることにより片頭痛を誘発している可能性が指摘されています。

コロナ頭痛

新型コロナウイルスに感染した時の症状として頭痛が起きることが報告されています。人の体はウイルスに感染した際、ウイルスを排除するために免疫反応が起こります。この時に産生された「プロスタグランジンE2」という物質が発熱や頭痛の原因となります。また、稀に脳の周辺にある髄膜にウイルスが侵入してしまい、髄膜炎の発症により頭痛が起きることがあります。


PC頭痛を対策・予防する方法

作業を管理する

VDT 作業を長時間行うことで、頭痛・肩こり・目の疲れなどの症状が起きやすくなります。特に、1 日のVDT 作業時間が 4 時間を超えると頭痛などの症状を訴える人が増えることが分かっているため、頭痛の予防にはテレワーク期間中も可能な限りパソコンに向かって作業する時間を減らす必要があります。また、連続作業時間が 1 時間以上にならないよう定期的に休息を取り入れることも大切です。

作業環境を整える

ディスプレイは 40 cm 以上離れた位置から見るようにし、ディスプレイの上端が眼の高さと同じもしくはやや下になるよう調節してください。眼への影響を軽減するためにはブルーライトをカットできるソフトウェアやフィルターの使用が効果的です。椅子には深く腰かけて足の裏全体が床に接するよう椅子の高さを調節しましょう。作業中は無理のない姿勢を保つことが重要です。

作業時間以外に実践できる対策方法

リラックスする

休憩は積極的にとり、その時間は精神的・肉体的にリラックスすることが大切です。短時間でも楽しめる趣味があれば休憩時間はその趣味にあてると良いかもしれません。ただ、休憩時間もスマートフォンを使用してしまうと眼を休めることにはならないため、必要最低限にとどめましょう。

ストレッチ

首や肩のコリが頭痛の原因になることがあります。首筋や肩周辺を伸ばすストレッチを定期的に行い、体をほぐしましょう。長時間の VDT 作業は腰痛の原因にもなるため、腰周りのストレッチも忘れないようにしましょう。

つぼを押す

頭痛に効くつぼがあることが分かっています。頭痛が気になる時は頭頂部にある「百会」や後頭部にある「風池」と呼ばれるツボを押してください。頭痛が起きている時に頭部を触りたくないという場合は、手の親指と人差し指の付け根あたりにある「合谷」というツボが有効です。ツボを押す時は呼吸に合わせて 1 回 6 秒程度を目安に押しましょう。

つらい頭痛には薬の検討を

頭痛がなかなか治まらない場合や痛みがひどい場合には鎮痛薬を服用することで痛みが改善することがあります。市販の鎮痛薬があるため、必要に応じて薬剤師などに相談して症状に合う薬を選びましょう。鎮痛薬の服用は対症療法であり、痛みの原因を完全に取り除くわけではありません。鎮痛薬を服用してもすぐに効果が切れてしまう場合や、何度か服用しても全く改善されない場合は服用を続けるのではなく早めに受診をしてください。


さいごに

新型コロナウイルス感染症の影響で日常生活に大きな変化が起きています。その変化を最も感じる例がテレワークの導入という方も多くいらっしゃると思いますが、健康を守るためのテレワーク導入したにもかかわらず、それが原因で体調を崩すことは本末転倒です。作業環境を整え無理のない範囲で作業を行い、健康的な体でコロナ禍を乗り越えましょう。

[参考資料]

日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会 (2013) “国際頭痛分類 第 3 版 beta 版

端詰勝敬 (2016) “初心者・心理職のための臨床の知 ここがポイント!~病態編~ 頭痛” 心身医学 56 (8): 833-838.

L Kelman, (2007) “The Triggers or Precipitants of the Acute Migraine AttackCephalalgia. 27 (5): 394-402. doi: 10.1111/j.1468-2982.2007.01303.x

Yan-Chao Li et al., (2020) “The Neuroinvasive Potential of SARS-CoV2 May Play a Role in the Respiratory Failure of COVID-19 Patients”  J. Med. Virol., doi: 10.1002/jmv.25728

Takeshi Moriguchi et al., (2020) “A First Case of Meningitis/Encephalitis Associated With SARS-Coronavirus-2Int. J. Infect. Dis.,94: 55-58. doi: 10.1016/j.ijid.2020.03.062 厚生労働省 “VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン

Tags: 頭痛

upshare-kiji

all author posts