新型コロナウイルス感染による重篤なウイルス症状について

新型コロナウイルス感染による重篤なウイルス症状

新型コロナウイルス感染症の情報は日々変化しており、それに伴って様々は研究や集計データが報告されています。今回は、新型コロナウイルス感染症の重篤なウイルス症状や重篤化リスクが高いとされる報告について確認します。最新の正しい情報を常に把握しておきましょう。


明らかになってきた新型コロナウイルス感染症の症状

新型コロナウイルスが主に呼吸器に感染することで発熱・咳・呼吸困難が起こりやすいことが分かってきました。それ以外に、下痢・頭痛・味覚や嗅覚の障害・眼の痒みや充血などが生じることも報告されています。


どこからが重篤なウイルス症状といえるか

新型コロナウイルス感染した人のうち「集中治療や人工呼吸器を要する管理が必要な患者」を重症者として定義しています。肺や全身への感染により炎症反応が起き、呼吸不全に陥ることで重症化してしまいます。重症化する前に見られる特徴的な ※13 の症状を把握しておき、細かい体調変化を見逃さないようにしましょう。

※厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養・自宅療養における 健康観察における留意点について


重篤化リスクが高いとされる報道は本当か嘘か

若年層より高齢者

健康に気を遣っている方でも加齢により身体機能や生理機能が徐々に衰えることは避けられず、一般的に呼吸機能は 20 代を過ぎると年齢を重ねるにつれて低下していきます。若年層に比べて高齢者は呼吸にかかわる絶対的な能力が落ちているため、「高齢」は重症化するリスク因子と考えられます。

基礎疾患のある人

新型コロナウイルス感染症は呼吸器感染症の一種であるため、喘息など慢性的な呼吸器疾患を患っていると重症化しやすい傾向があります。また、年齢を問わず心血管疾患・糖尿病・高血圧といった基礎疾患を持つ感染者が重症化しやすいという報告があります。

子どもより赤ちゃん

喘息など基礎疾患がない場合でも、1 歳未満の乳幼児が新型コロナウイルスに感染した場合に重症化しやすい可能性があります。乳幼児が重症化しやすい一因として呼吸器系の発達がまだ不十分であることが挙げられています。

喫煙者

喫煙と新型コロナウイルス感染症の重症化の関係性に関する研究成果はいくつか報告されていますが、まだその関連性の有無に結論が出ていない状態と言えます。喫煙は慢性閉塞性肺疾患の発症因子であることは明らかで、さらに心血管疾患を併発するリスクも高くなります。これらの疾患は新型コロナウイルス感染症を重症化させる要因と言われているため、重症化を防ぐという観点で喫煙が良い影響を及ぼすとは言えません。


感染数が多いのは中高年世代

新型コロナウイルス感染症の累計陽性者数は令和 2 年 5 月 7 日時点で 15,000 名ほどです。年齢階級別で見ると、20 代以降は 10 代もしくは 10 歳未満の陽性者数より明らかに増えています。20 代以降では、20-50 代の各年齢階級別陽性者が 2,000 名を超えており、60 代以降の陽性者数と比べて多くなっています。一方で、死亡数・重症者数は年齢階級が上がっていくにつれて増えており、重症化する割合は加齢により高くなっていると言えます。

仕事における接触機会が多い

緊急事態宣言の発令に伴い外出自粛が求められていますが、20-50 代は仕事により外出が避けられない方が他の年代に比べて多くなっていると考えられます。実際に生産年齢人口にあたる人の接触頻度の減少率が低いという報告があります。

若年層は無症状のことが多い

小児は新型コロナウイルスに感染しても無症状もしくは軽症で済んでしまう場合が他の年代に比べて多いという報告があります。つまり、感染しても症状が出ずに自然と快方したことで受診・PCR 検査を受けなかった人の割合が 20 歳未満で高くなった可能性があり、その結果他の年代より陽性者数が少なくなっている可能性があります。


中高年にも見られる基礎疾患

基礎疾患とは

新型コロナウイルス感染症が重症化する可能性がある基礎疾患として慢性呼吸器疾患、心血管疾患、糖尿病などが報告されています。心血管疾患や糖尿病は日々の生活習慣が発症に関わっており、若年層よりも中高年の方が患者数は多くなっています。

症状が現れたら十分注意を

発熱や咳など比較的現れやすい症状だけでなく、緊急性の高い症状を見落とさないよう体調を細かく把握しておきましょう。もし、感染症が疑われる症状が起きた時には、厚生労働省のコールセンターや各都道府県が開設している帰国者・接触者相談センターへ連絡してください。


重症化リスクが低い場合でも自分が感染源にならないように

重症化しそうな基礎疾患がない場合は感染しても無症状もしくは軽症で済むかもしれませんが、人に移してしまう可能性は十分にあります。もし自分が知らないうちに他の人に移してしまい、その人が高齢者や基礎疾患を持っている方の場合は重症化するかもしれません。自分だけでなく相手も守るために日々の感染対策を欠かさず行いましょう。

[参考資料]

厚生労働省 “新型コロナウイルス感染症の国内発生動向

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 “新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言 (2020/5/1)

厚生労働省 “中央社会保険医療協議会 総会 (第413回) 年代別・世代別の課題 (その2)

Kui Liu et al., (2020) “Clinical Characteristics of Novel Coronavirus Cases in Tertiary Hospitals in Hubei ProvinceChin. Med. J.,10. doi: 10.1097/CM9.0000000000000744

Zunyou Wu et al., (2020) “Characteristics of and Important Lessons From the Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) Outbreak in China: Summary of a Report of 72 314 Cases From the Chinese Center for Disease Control and PreventionJAMA., doi: 10.1001/jama.2020.2648

Hua Cai, (2020) “Sex Difference and Smoking Predisposition in Patients With COVID-19Lancet Respir. Med., 8 (4): e20. doi: 10.1016/S2213-2600(20)30117-X

Constantine I Vardavas et al., (2020) “COVID-19 and Smoking: A Systematic Review of the EvidenceTob. Induc. Dis., 18: 20. doi: 10.18332/tid/119324

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